ミツオ日記

自称詩人 熊野ミツオの日々

2021~2022

 きのう(一月一日)、お風呂に入っているとき、もう、無理して詩を書いたり、文章を書いたりするのはやめようとおもった。そう決めるとサッパリした気持ちになった。

 ぼくはそもそも、なぜ創作をしているのかと言うと、それを通して社会的に成功したいということが一つあるけれど、創作をすることで自分が自分であることを確認しているのだということもある気がする。そして、これがいちばん大きな理由かもしれないけれど、創作をすることは自分にとって気持ちがよくて、たのしいことだということがあるとおもう。

 でも、最近は創作を通して、純粋に気持ちがいいとかんじることが減った。どことなく無理をしている気がしてきた。だから、もうやめようとおもった。

 ほんとうは、二〇二二年の創作の目標はいろいろあった。たとえば、「ココア共和国」に毎月、詩を投稿することなどだ。でも、二〇二二年どころか、二〇二一年の一二月に投稿する詩がどうしてもできなかった。やめようとおもった直接の動機はそれかもしれない。

 そうは言っても、ぼくは創作を完全にやめる、というわけではない。無理をするのをやめることにしたのだ。これからは自然につくりたい、書きたいという気持ちの方を大切にしたい。書きたくなったら、書く。そういう気持ちにならない場合は書かない。

 この考えは、前からあった。この前、オフ会である詩人の方といっしょになったとき、「熊野さんは毎日、詩を書いていてすごい。私は何か書きたいことがあったときしか書けない」と言っていた。それを聞いたぼくは、自分が無理をして書いていることをあらためておもった。そのひとはぼくを褒めるつもりで言ったのかもしれないけれど、毎日無理をして書く必要なんてないとそのときもおもった。

 そういうわけで、これからは無理をしないことにする。いままでは無理をしていた。あるいは自分の詩にたいして失礼だったかもしれない。ほんとうは書く必要もないような、つまらない詩を無理して書いてきたので、それは詩にたいして失礼なのだ。

 なんとなく、こわいのは気が抜けたことで、実際に何も書かなくなるかもしれないということだ。でも、そうなったら、なったで仕方がない気がする。

 

 最近、ぼくは、『オッドタクシー』というアニメにはまっていた。過去にこんなにはまったアニメはなかった気がする。ぼくは映画やアニメを見ていてもわりとすぐに退屈するほうなんだけれど、『オッドタクシー』を見ているあいだは退屈しなかった。

 『オッドタクシー』は中年のセイウチのタクシー運転手、小戸川が活躍するハードボイルドアニメだ。ハードボイルドと言っても、キャラが動物なので、そこがかわいらしい。また、小戸川は主に夜に仕事をするので、夜の東京の街の描写がいい。登場人物はみんな動物でかわいいけれど、一癖あって、皮肉で、面白みがある。大人のアニメというかんじがしてよかった。

 『オッドタクシー』の全一三話はアマゾンプライムで見られる。ぼくは二〇二一年の三十日に、『オッドタクシー』をぜんぶ見終わった。なんか、意外なオチに、魔法が解けたような気分になった。

 ベランダに出て、外を見ると、年末年始特有の澄み切った夕暮れだった。ベランダから下を見ると、子どもがボールで遊んでいるのが見えた。

 三十日のぼくはかなり活発だった。大掃除もしたし、アニメを見終わった後は、年越しのためにおでんをつくった。ぼくは年末年始にはおでんをつくってそれを食べながら年を越すことに決めていた。ほんとうは三十一日の朝に仕込むつもりだったんだけれど、三十日の夜につくればより味が染みるだろう、とおもったのだ。それに暇だった。

 

 三十一日の大晦日で印象に残っているのはコメダ珈琲店に行ったことだ。だいたい掃除も終わって暇だったから、今年一年お世話になったコメダ納めをすることにした。上着を着て、マフラーを巻いて、防寒して外に出たけれど、すごく寒かった。空気がキンキンに冷えていた。今年の冬はとくに寒い気がする。

 コメダ珈琲店では、ミルクコーヒーのたっぷりサイズを頼んだ。そして、秘密のノートに二〇二一年のまとめを書いた。

 それによると、二〇二一年にあったことは、まず朝寝坊が直らなくて、作業所に時間通りに行けなくなったしまったことがあって、これからの人生では早起きして、朝、普通に仕事に行くことをあきらめた一年だったと言える。でも、遅番だったら、仕事はあるもので、早起きをあきらめてから転職活動をしたら、わりとすぐに転職に成功した。来年からは新しい職場で働くことになった。

 そして、二〇二一年は腸活に成功した一年だったと言える。汚い話で申し訳ないんだけれど、それまでのぼくのうんちの状態はかなり悪くなっていた。でも、一年くらいずっとビオフェルミンを飲み続けて、そして酒を減らした結果、うんちの状態が少しずつよくなっていって、元に戻った。自分からはもう二度と、まともなうんちが出ないのかもしれないとおもっていたので、これは嬉しいことだった。

 健康のために酒量をかなり減らした。いまは一週間に一回しか飲酒しないようになった。若かった頃は毎日、ビールを一リットルくらい飲んでいた。安ウィスキーをロックで飲んだり、焼酎のお湯割りが好きだったこともあったけれど、いまのぼくはもう酒飲みではない。加齢のせいか酒は毒だと身体でかんじるようになった。こうなると、なぜ、いままであんなに酒が好きだったのかわからなくなってくる。

 他には、二〇二一年は五百円玉貯金をはじめた。女友だちが増えた。フォロワーとのラインを元にした小説を書いた、などのことがあった。他にもいろいろあったとおもうけれど、おもいだせない。

 

 ぼくは今年の年越しの瞬間はツイッターをしていた。紅白を見ながら、布団のなかでツイッターをしていた。紅白には宮本浩次が出て『よあけのうた』を歌った。いい歌だ。

来年の目標はパートナーを見つけることにしよう、とおもった。それは大晦日に通話したフォロワーのお中元さんの言葉がヒントになった。パートナーが見つかるかどうかは、運の要素が大きいけれど、二〇二二年をいい一年にしたいとおもう。