夜更かし
睡眠薬を飲んで布団に入る
テレビを点けてボンヤリとする
芸人たちの空虚な笑い声が響く
ロボットが未来について静かに語る
アフリカの草原が映っている
クラシックの指揮者がタクトを振る
宇宙から見た
地球の映像が流れる
もう深夜だ
いつか自分の存在は水のようになってしまった
きょうもいちにちよくがんばった
とくになにかをしたわけではない
いつもの通りのいちにちだったが
面倒くさいことを
面倒くさいからといってサボらなかった
知らないひとびとのつぶやきを
拾っているうちに眠くなってくる
アラームをセットして電気を消す
眼を閉じる
おやすみなさい
とても懐かしいひとが
ぼくに向かって微笑んでいる
でも朝になったら
忘れているのだ