ミュージック
ぼくはスカートを履いて街に出た
いろんなひとが
ぼくを見た
脚がきれいだと
ひとの視線を集めてしまう
街はガラスでできていた
でもぼくはあたたかい肉でできている
命の姿は
まるで祈りそのものだった
いまから 会いに行く
そういうふうにできている
ぼくはまるで火のように激しい
あなたに聴いてほしい
とてもいい音楽を見つけた
それはぼくたちの
知らない国の音楽のようだ
言葉を聞き取ることもできない
それがぼくをかなしくさせる
ぼくはイヤホンをとって
あなたのきれいな耳につないだ
「これがその音楽だよ」
あなたにはわかるはずだ
「この音楽を
わたしは知っていた気がする」
知っている
あなたはとてもうつくしいから