2021-11-23 ブルーモメント 詩 わたしたちは 夕方の青い空気のなかにいるだろう 自由に手を 広げるだけの スペースが そこにはあったのだ 生ぬるい風が吹いていた コンビニで買ったカフェオレを持って ベンチに座る 弱いけれど やさしいひと 自分の内側だけを見ていた そういう眼をしている 足元に 揺れるのは 街の音 遠くから聞こえる さびしい気持ちだけで夜を呼ぶ 死んだひとのことを おもいだしていた 世界の片隅に座って もうどこにも行けない 心が静かに 火のように燃えている 戻っておいで わたしたちの名前を知っている