ミツオ日記

自称詩人 熊野ミツオの日々

ブルーモメント

わたしたちは

夕方の青い空気のなかにいるだろう

 

自由に手を

広げるだけの

スペースが

そこにはあったのだ

 

生ぬるい風が吹いていた

コンビニで買ったカフェオレを持って

ベンチに座る

弱いけれど

やさしいひと

自分の内側だけを見ていた

そういう眼をしている

 

足元に

揺れるのは

街の音

遠くから聞こえる

さびしい気持ちだけで夜を呼ぶ

死んだひとのことを

おもいだしていた

 

世界の片隅に座って

もうどこにも行けない

心が静かに

火のように燃えている

 

戻っておいで

わたしたちの名前を知っている