ミツオ日記

自称詩人 熊野ミツオの日々

オーロラ

冬の 淡い光のなかで

すこしずつ色あせていった

目薬をさすとつめたい

 

ぼくは 感情のロボットだった

人生では

自分の意志で

やっているつもりのことでも

ほんとうは向こうからやってきている

 

幾千もの

詩が

夜の彼方から

やってきた

 

ぼくは布団に入って

死ぬ準備をしていた

おやすみなさいと言う相手がいない

 

子どもの頃の夢は

いつかオーロラを見ることだった

空に揺れる

華やかで

さびしいまぼろし

 

「おやすみなさい」

天使が言った

涙が流れて耳が濡れた

 

(おやすみなさい)